個人事業主から法人への移行をお考えの方

確定申告が終わって少し一息ついております。

Q-TAX目白店で確定申告をお手伝いさせていただいたお客様の中でも

法人への移行のご相談を受けております。

個人事業者から法人への移行はメリットとデメリットそれぞれありますが、

法人のメリットの1つに「青色欠損金の繰越控除」があります。これは青色申告の事業者は赤字を翌期に7年間繰り越せるというものです。

デメリットの1つに法人成りに際して登記費用などが発生するということがあります。

Q-TAX目白店では新規の会社設立の方に今ならキャンペーン価格78,000円で受け付けております。法人設立をお考えの方、一度Q-TAX目白店会社設立・起業サポートセンターにご連絡ください。

消費税の仕入税額控除のルール改正への実務対応

仕入税額控除を計算する際のいわゆる「95%ルール」が、税制改正により、課税売上高が5億円を超える事業者には適用されなくなります。

課税売上高5億円超が対象

これまで、総売上に占める課税売上の割合が95%以上であれば、仕入税額を控除する際、 売上時に顧客から預かった消費税額から、仕入れや経費等の発生時に事業者が負担した 消費税額を全額控除することができました(仕入税額控除の95%ルール)。

図表1 仕入税額控除の95%ルールの改正内容
課税売上割合 仕入税額控除方式
改正前 改正後
95%以上 全額控除方式 課税売上高5億円超 個別対応方式 また 一括比例配分方式
課税売上高5億円以下 全額控除方式
95%未満 個別対応方式 また一括比例配分方式

ところが、平成23年度税制改正により、平成24年4月1日以後に開始する課税期間から課 税売上高が5億円を超える課税事業者については、95%ルールが適用できなくなり、個別対応方式か一括比例配分方式のいずれかで控除する税額を計算する必要があります(図表1)。

個別対応方式と一括比例配分方式とは?

(1)個別対応方式

事業者が負担した消費税額を「その課税仕入れが何のために使われたものであるか」に よって区分(以下、用途区分)し、顧客から預かった消費税額から控除できるものと控除 できないもの等に分け、控除する税額を計算します(図表2)。

(2)一括比例配分方式

事業者が負担した消費税額の全額に課税売上割合を乗じて控除する税額を計算します。

課税仕入れ高の用途区分
用途区分 課税区分 消費税額等の控除可否
①課税売り高のみに対応する課税仕入れ

5

全額控除できる
②非課税売り高のみに対応する課税仕入れ
6
控除できない
③課税売り高及び非課税売り高の両方に対応する課税仕入れまたは区分不能

7

課税売上割合を乗じて得た金額のみ控除できる

対象となる事業者の実務対応は?

(1)非課税売上高を正確に把握する

非課税売上高には次のようなものがあります。これらの収入には非課税売上高の消費税 の課税コード(TKCの課税コード[3])を記録しましょう。

  1. 土地の譲渡収入
  2. 土地の賃貸料(1か月未満の貸付けを除く)
  3. 株券や国債などの譲渡収入
  4. 居住用住宅の賃貸料(1か月未満の貸付けを除く)
  5. 受取利息
  6. 従業員等から徴収する社宅家賃収入
  7. 社会保険診療報酬        など

(2)個別対応方式は用途区分に注意する

これまでは、課税仕入高のすべてについて、課税売上高のみに対応する課税仕入れとして 消費税の課税区分コード(TKCの課税コード[5])を記入・入力する対応で済んでいました。

改正後は、個別対応方式を採用する場合、販売費及び一般管理費などの課税仕入高を用 途区分し、それぞれに応じた消費税の課税区分ヨード[5][6][7]を記入・入力する必要があります。

課税売上高5億円以下、課税売上割合95%未満の事業者への影響

(1)課税売上高が5億円に近い事業者は注意

課税売上高が5億円を超えるかどうかは当該課税期間の課税売上高で判定することか ら、これまで課税売上高が3億円や4億円の課税事業者も売上が増加して5億円超になる ケースも考えられるため、事前に用途区分をしておくことが必要と思われます。

(2)用途区分に注意が必要

今回の改正で用途区分の考え方が注目されたことで、税務調査等では、これまで以上に 用途区分の合理性が問われることが多くなる可能性があります。

例えば、不動産賃貸・売買業、工務店、クリニック、保育園など営業収入に占める非課 税売上高が多い課税事業者や、たまたま固定資産である土地等を譲渡した課税事業者など、当該課税期間の課税売上割合が95%未満となってしまうような場合には、販売費及び一般管理費などの課税仕入高のすべてについて3つの用途区分にしっかり区分しましょう。

(3)今後の動向に注意

今回の消費税法改正は、限られた事業者が対象ですが、将来の消費税増税を見据えて、 これまでの例外・特例などの優遇的な措置が縮小される傾向にあります。今後の動向に注 意してください。

社会保険に未加入の場合の経営上のリスクとは?

健康保険・厚生年金保険などの社会保険は、会社や従業員の事情に関係なく加入がが義務づけられており(一部の個人事業者を除く)、未加入や脱退は認められていません。もし、会社が社会保険等への加入義務を怠っていた場合、経営上どのようなリスクがあるのでしょうか。

社会保険の届出を怠っていませんか?

<事例>年金事務所の調査が入った!
社員15人を抱えるA社では、労働保険には加入していましたが、「社会保険は高すぎるH
との理由で社長しか社会保険に加入していませんでした。ある日、将来や現状に不安を覚
えた社員が年金事務所に相談した結果、調査が入ることになりました。

社会保険(健康保険、厚生年金保険)は、社会保障制度の一環として国が運営する公的
保険であり、法令によって会社と従業員に加入が義務づけられています(図表1)。

最近、社会保険の未加入や保険料の未納付などが問題となっており、「社会保障と税の
一体改革」を前に、監督機関の調査も厳しくなる可能性があります。

社会保険料は、健康保険と厚生年金保険の保険料を会社と従業員との折半で負担しま
す。仮に、会社が社会保険に未加入だった場合、あとで保険料の遡及納付を求められたり、罰金を科されたり、従業員からの損害賠償などの経営上のリスクを負うことになります。事例のケースでは、次のようなリスクが考えられます。

社会保険料の遡及納付が求められる

社会保険の加入手続きを怠っていたA社は、最大で過去2年分まで遡って社会保険料を納
付しなければならない可能性があります。

事例のケースでは、社員15人で平均給与30万円の場合、会社負担分と社員負担分を合わ
せて、約2,800万円(※)になります。

いきなりこのような金額を請求されても困ってしまいますが、社会保険料の2年分とな
るとその負担はとても大きくなります。
※社会保険料77,676円×15人×24か月(東京都の例)

図表1 社会保険の種類と加入義務

社会保険の種類と加入義務
種類 給付内容 加入義務
健康保険 業務外の事由でけが、病気になった場合に保険給付される
  • 法人の場合は、社員(役員含む)が1人以上いる場合に加入
  • 個人事業でも社員5人以上(飲食業など除く)の場合は加入
  • パート、アルバイトでも、社員と比較して、労働日数と労働時間の両方が、おおむね4分の3以上であれば加入
厚生年金 老齢、障害、死亡について、年金が給付される

社員にも過去に遡って保険料を納付してもらうために、社員の同意が必要となり、説
明も一苦労ですし、給与関連書類をすべて訂正する必要があります。

また、未加入だった期間は、社員は自分で国民健康保険・国民年金に加入しているはず
ですから、その差額の精算も大変です。

損害賠償を請求される

事例のケースにおいて、10年前から社会保険に未加入の場合、加入は最大10年前から認
められますが、保険料は、2年分しか遡って納付できません。

会社が社会保険に未加入であったことで年金のカラ期間が生じ、社員が「年金受給資格
期間に満たない」「本来受給すべき年金額に満たない」などの不利益を被ることになり、
その損害賠償責任を負う可能性があります。

実際に、社員が会社に対して損害賠償を求めた例もあります。

社会保険の未加入には、経営上のリスクがあることを十分理解しておきましょう。

<事例>社会保険への未加入を理由に社員が会社を訴えた!
会社が社会保険の被保険者資格取得を届け出る義務を怠ったために、社会保険に加入で
きなかった元社員Bが、会社を相手取って損害賠償を請求する訴えを起こしました。
判決では、会社の行為は違法であり、労働契約上の債務不履行にあたるとして、元社員
Bの損害賠償請求を認め、会社に387万円余の支払いを命じました(図表2)。

図表2豊国工業事件(奈良地裁判決平成18.9.5)

 

在庫管理と実地たな卸を徹底しよう

会社は、販売や製造のために、商品、製品、原材料、仕掛品などを在庫(税務・会計では「たな卸資産という)として保有しています。在庫管理はきちんとできていますか。

在庫管理ができていないとどうする?

あなたの会社では、次のようなことはないでしょうか。

  • 倉庫内で在庫を探すのが一苦労。
  • 入出庫作業にかなり時間がかかる。
  • 過剰在庫、不良在庫、陳腐化品などが多い。
  • 在庫の紛失が多い。 □在庫の保管スペースが足りない。
  • 在庫がないと勘違いして余分に仕入れてしまう。
  • 欠品が多く、販売機会を失うことが多い。

もし、心当たりが1つでもあれば、以下の在庫管理の5原則を実行しているかどうかを 点検しましょう。

日常の受払管理をきちんと行う

商品等の入庫、出庫、移動、廃棄などがあったときは、現物と納品書、出荷伝票等を確 認し、速やかに、商品台帳等へ「単価」「数量」「金額」を記入・入力することで、常に、帳簿上で正しい在庫を把握することができます

倉庫内定期清掃、整理整頓をする

倉庫内の整理整頓をして、何が、どこに、どれだけあるかが一目でわかる状態にしまし ょう。倉庫内が整理整頓されていないと、配送ミスや出荷作業に時間がかかったり、欠品 や過剰在庫、不正確な実地たな卸の原因にもなります。また、横流しなどの不正を誘発し かねません。

実地たな御を定期的に行う

実地たな卸は、決算時には、必ず実施しますが、期中においても、毎月、少なくとも3 か月に1回の実施が理想的です。 実地たな卸を定期的に行っておくと、決算時の実地たな卸がスムーズにできるうえ、不良品の発見や滞留在庫、過剰在庫等を把握し やすくなります。 また、きちんとした在庫管理と実地たな卸による在庫記録等は、証拠資料にもなります。

在庫数が帳簿と合わない原因を調べる

実地たな卸で数えた在庫数と帳簿上の数量が合わない場合、その原因を調べます。 原因の多くは、受払時の商品、数量の誤りや台帳への記入・入力ミスのようです。

不良在庫などを定期的に処分する

実地たな卸で発見した、不良品や陳腐化晶、滞留在庫などは、ルールに従って、値引販売するものや廃棄処分するものに分けます。

事例 実地たな御に実施と記録で裁判に勝訴

家具販売業A社は、火災によって社屋や倉庫が全焼する事態に見舞われました。その後、損害保険会社との間でで保険金支払いを巡って裁判となりました。 保険会社は、在庫家具について、ある時点の在庫金額に、仕入高や返品率等を加算・減算して推計した約2,000万円を主張し、一方、A社は、たな卸記録等を根拠に約5,000万円を主張しました。 A社では、日頃から顧問会計事務所の指導を受け、決算期には、実地たな卸を徹底して行い、その状況をカメラでも記録していました。 裁判では、そのようなたな卸の記録等が証拠となり、A社の主張が認められて、全面勝訴となりました。

ここに注意!

廃棄処分する場合は、破損状態等がわかるように日付入りの写真や廃棄業者の証明書など証拠となる記録を残しておきましょう。

在庫管理と実地たな御の状況をチェックしてみましょう!

  • 商品等の受払いの際、速やかに商品台帳等へ「単価」「数量」「金額」を記入・入力している。 入出庫時には、管理担当者が納品書などの証憑書類と現物とを確認している。
  • 各商品等は、倉庫内の決められた場所に正しく保管され、どこに、何があるかが一目でわかるように整理整頓されている。
  • 決算時以外にも、実地たな卸を定期的に行い、実際の在庫と帳簿上の数量、金額に差異があった場合には、直ちに原因を究明している。
  • 実地たな卸の際にチェックしたたな卸票やメモなどの原始記録を保管している。
  • 社長自らが定期的に倉庫など現場に出向いて、商品等をチェックしている。
  • 外注先や委託先などに預けている社外在庫についても確認している。
  • 廃棄処分は、決められたルールにもとづいて責任者の承認を得て処分し、その商品の写真や処分業者の証明書などを残している。
  • TKCの「月例経営分析表」などを利用して、在庫に関する指標をチェックしている。