附帯税に注意!

申告期限までに申告書を提出しなかったり、納付期限までに税金を納付しなかった場合や、税務調査などにより追徴課税された場合などには、本来納めるべき税金の他に附帯税が課税されます。意外に重い負担になるので注意しましょう。

どんなときに附帯税が課税されるのか

附帯税は、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税などの総称で、期限内に適正に申告・納付した人との負担の公平化を図り、滞納防止と滞納された税金の早期納付を促すこと等を目的として課されています。附帯税は所得税や法人税をはじめ、各種税金の計算をする上で損金算入は認められません(利子税は除く)。

CASE1・・・延滞税
申告書は期限内に提出したが、納付税額を期限内に完納しなかったとき
納付すべき税額の一部または全部を納付期限までに納税しないと延滞税が課せられます。
(延滞税が課税される例)

  1. 予定納税額や源泉徴収税額を期限内に完納しなかったとき
  2. 納税通知による納付税額を完納しなかったとき
  3. 期限後申告や修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税金があるとき

CASE2・・・利子税
延納や申告書の提出期限を延長したとき
次のような場合は、本来納付する税金と合わせて利子税が課税されます。

(利子税が課税される例)

  1. 法人税申告書の提出期限を延長したとき
  2. 所得税や相続税を延納したとき
  3. 災害等のために申告書の提出期限を延長したとき
[参考] 延滞税や利子税の割合(平成26年の例)
延滞税 納期限の翌日から2月を経過する日まで 2.9%
納期限の翌日から2月を経過した日以後 9.2%
利子税 1.9%

 

●中間申告と納付の遅れに注意!
前期の法人税納付額が20万円を超えると、今期に法人税の中間申告・納付をする必要があります。この中間申告の納付が遅れた場合、納付日までの延滞税が課税されますので注意してください。
「前払いなのに、なぜ延滞?」と疑問に思われるかもしれませんが、これは2月以内に納付するという法定申告期限があるためです。また、前期は大幅な利益が出たが、今期上半期の業績が良くないときは、仮決算(所得税の場合は予定納税の減額承認申請)を行うことで、納付税額を圧縮することができます。

CASE3・・・過少申告課税
期限内に申告・納付したが、その後、税務調査を受け、納めた税金が少なかったために修正申告になったとき
税務調査後に、修正申告した(または税務署から更正を受けた)場合には、追加で納める税金の他に過少申告加算税が課税されます。

過少申告課税
原則 10%
当初の納付額と50万円のいずれか多い金額を超える部分 15%
自主的に修正申告した場合 不適用

CASE4・・・無申告加算税
期限後に申告書を提出したとき
期限後に申告した(または税務署による課税所得の決定が行われた)場合は、原則として無申告加算税が課税されます。

無申告加算税
納付税額の50万円までの部分 15%
納付税額の50万円超の部分 20%
自主的に申告した場合 5%
正当な理由など 不適用

CASE5・・・不納付加算税
源泉所得税の納付を忘れてしまい、納期限に遅れてしまったとき
源泉徴収税等の納付期限までに完納されなかったとき、不納付加算税が加算されます。

不納付加算税
原則 10%
自主的に申告した場合 5%
正当な理由など 不適用

 

余分な税金を負担しないためにも適正な申告を!

税務調査等で申告の誤りを指摘され、修正申告等になると、余分な附帯税を負担することになります。
そうならないためにも、自社で適時に正確な記帳を行い、毎月、会計事務所の巡回監査において、その内容のチェックと改善指導を受けることで、適正な申告をしましょう。

 

  • 最も重い重加算税とは・・・

過少申告加算税や無申告加算税、不納付加算税が課される場合において、所得の隠ぺい、仮装がある時には、過少申告加算税等に変わって最も重い重加算税が課税されます。

重加算税
過少申告加算税に代わる重加算税 35%
無申告加算税に代わる重加算税 40%
不納付加算税に代わる重加算税 35%

 

中間申告・納付等の漏れがないよう、自社の納付期限を確認してみよう!

納付期限チェックリスト
□ 1源泉所得税の納付は毎月ですか、(納付の特例の適用を受けている場合)年2回ですか

□ 毎月納付・・・翌月10日まで

□ 年2回・・・(1~6月分は7月10日まで・7~12月分は1月20日まで)

□ 2 法人税の中間申告・納付はありますか。(前期の法人税額が20万円以上など)
□ 3 消費税の中間申告・納付はありますか。(前事業年度の確定消費税額<地方消費税を除く>によって異なる)
前事業年度の確定消費税額が □ 48万円以下・・・原則中間申告不要・年1回の任意中間申告(及び確定申告1回)
□ 48万円超400万円以下・・・年1回の中間申告(及び確定申告1回)
□ 400万円超4,800万円以下・・・年3回の中間報告(及び確定申告1回)
□ 4,800万円超・・・年11回の中間申告(及び確定申告1回)
(個人事業者の場合)
□ 4 所得税の延納の届出をしていますか。(延納税額の納付・・・5月31日まで)
□ 5 所得税の予定納税はありますか。(前年分の申告税額が15万円以上の場合)
   ●第1期分の納付・・・7月31日まで  ●第2期分の納付・・・11月30日まで

 

国外に財産をお持ちの方は「国外財産調書」の提出をお忘れなく!

平成26年12月31日において価額の合計額が5千万円を超える国外財産(海外預金や海外不動産)を所有する方は、平成27年3月16日(月)までに国外財産調書を提出しましょう。
国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、記載があった国外財産に所得税・贈与税の申告漏れがあっても、過少申告加算税が5%軽減されます。また期限内に提出しなかった、または提出したが記載がない国外財産がある(記載の不十分を含む)場合に、所得税の申告漏れがあると、過少申告加算税等が5%加重されます。提出を忘れないようにしましょう。

改正相続税法施行で気になる相続税

平成27年1月から相続税の基礎控除額が引き下げられたことで課税範囲が広がり、相続税がかかるのかどうかを心配する人が増えています。結果的に課税されない場合でも、その判定根拠をしっておくことが望ましいと思われます。

基礎控除額を超えると相続税がかかる?!

Q1 改正相続税がスタートしましたが、どのようなときに相続税がかかりますか?

A1 亡くなった人(被相続人)の遺産に係る相続税の課税価格が次の計算式で計算した額(基礎控除額)を超えると相続税額が発生します。基礎控除額は法定相続人(民法により相続の権利がある人)の数によって決まりますが、今年1月から基礎控除額が改正前とくらべて4割縮小され、法定相続人の数に応じて図表1のようになります。

 

基礎控除額の改正
基礎控除額の改正
図表1法定相続人数ごとの基礎控除額の例
図表1法定相続人数ごとの基礎控除額の例

Q2 基礎控除額を超えて相続税がかかる場合、税額はどれくらいになりますか。

A2 相続税額は、図表2のように正味の遺産額(課税価格)から基礎控除額を差し引いた残額をもとに計算します。
4人家族でご主人が亡くなったケース(図表2の設例)で相続税額を計算すると、改正前は基礎控除額が8,000万円あったことから相続税はかからなかったのですが、改正後は相続税額が生じる場合があります。

図表2 相続税額計算の流れ
図表2 相続税額計算の流れ

ほとんどの財産が遺産総額に含まれる

Q3 相続税額を計算する際の「遺産」とはどのようなものですか。

A3 一部の非課税財産を除き、現金・預金や不動産、株式、債券、絵画骨董、家庭用財産、生命保険契約に関する権利などほとんどの財産が相続税の課税対象となります。
なお、自社株式については株式評価が必要となりますので、会計事務所にご相談下さい。

前述の「一部の非課税財産」とは、以下のようなものが該当します。

墓所や仏壇、仏像など
※骨董品や投資目的で所有していたものは除きます。
相続税の申告期限までに国等に贈与した財産
「生命保険金」や「死亡保険金」(注意参照)のうちそれぞれ〔500万円×法定相続人の数〕まで
この他に以下のような相続財産の額から差し引くことができるものがあります。
葬式費用
※葬式やお通夜の費用、お寺などへの読経料など
被相続人の債務
※借入金や未払金、被相続人の未納付の税金など

注意 こんなものも相続税の対象財産になります
注意 こんなものも相続税の対象財産になります

平成28年1月開始の「社会保障と税の共通番号制度」とは?

平成25年5月公布の「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づく、「社会保障と税の共通番号制度」が、平成28年1月からスタートします。これは、国民一人ひとりに固有の番号を割り当て、行政手続きなどに利用する制度で、行政運営の効率化による国民の負担軽減・利便性の向上などを目的としています。

Q1 社会保障と税の共通番号制度とは何ですか。

A1 社会保障と税の共通番号制度(以下「番号制度」)では、すべての国民が、自分だけを特定する「個人番号(マイナンバー)」を持つ制度です(法人は固有の「法人番号」)。そして、社会保障分野(年金、医療、介護保険、福祉、労働保険等)と税の分野(国税・地方税)において、給付申請や申告などの行政手続に際して、個人番号を利用することになります。

Q2 番号制度は、何のために導入されるのですか。

A2 番号制度の導入によって、国の行政機関や地方自治体がそれぞれ保有する「同一人物の個人情報」について、それらが同じ人の情報であることを、迅速かつ正確に確認できるようになるため、図表1のようなメリットが期待できます。

図表1 番号制度のメリット
図表1 番号制度のメリット

Q3 個人番号(マイナンバー)や法人番号は、いつ頃、わかるのですか。

A3 平成27年10月以降に、市区町村から、すべての住民(住民登録されている者)に対して、12桁の個人番号、住所、氏名、性別、生年月日等が記載された紙の「通知カード」が郵送されます。法人等には、国税庁から、13桁の「法人番号」が通知されます。
なお、平成28年1月以降、市区町村は、個人番号等の情報の入ったICチップ搭載の顔写真付きカード(個人番号カード)を住民の申請により公布することになっています。

Q4 個人番号は、いつから、どのようなときに利用するのですか。

A4 平成28年1月から、国の行政機関や地方公共団体などにおいて、まずは社会保険、税、災害対策の3分野に関する行政事務に利用します。
そのため、年金、雇用保険、健康保険等の各種手続や児童手当等の給付申請に際して個人番号を記載(提示)するほか、税務関係書類(申請書、届出書、法定調書等)に個人番号を記載することになります。

Q5 民間企業では、個人番号を利用することはないのですか。

A5 民間企業でも関係があります。法人や個人事業者は、各々の従業員や支払調書の対象となる外部者(税理士、講師等)から個人番号の提示を受けて、それを源泉徴収票や報酬等の支払調書、健康保険・厚生年金の被保険者資格取得届等に記載して、税務署や市区町村、健康保険組合、年金事務所等に提出することになります(図表2)。

図表2 企業が個人番号を利用する例
図表2 企業が個人番号を利用する例

Q6 個人情報の管理には、どのような対策がとられるのでしょうか。

A6 個人情報の保護に関して、国は様々な措置を講じる予定です。

  1.  「個人情報の分散管理」の徹底
    それぞれの行政機関が持つ個人情報は、従来どおり、それぞれの機関において保有・管理する「分散管理」の方法がとられており、特定の機関が個人情報を一元管理できないようになっています。
  2.  「成りすまし」対策(本人確認の徹底)
    行政機関等(民間企業を含む)が、個人番号の提供をうける際には、その個人番号の持ち主であることを確認するため、「個人番号カード」等の提示を求めることが義務づけられます。
  3.  通信手段等におけるセキュリティ対策
    行政機関等の間での個人情報をやりとりする際のセキュリティ対策として、通信手段の限定や通信内容の暗号化対策等が整備されます。
    また不正取得・使用に対しては、厳しい罰則規定などが整備されています。
  4.  民間企業に求められる情報管理
    業務上、個人情報を知る機会のある民間企業においては、そのセキュリティ対策が求められることになります。