社員の入社時に行う社会保険の手続き

新たに社員(新卒・中途)が入社すると、雇用保険や健康保険・厚生年金保険についての手続きが必要です。新入社員から提出された書類等をもとに、届出書類を作成し、所定の行政機関等に提出しなければなりません。

1.雇用保険の手続き

次の提出書類を会社所在地を管轄するハローワークに提出します(提出時に提示が必要な書類もあります)。

届出書類
  • 雇用保険被保険者資格取得届
提示書類
  • 会社の雇用保険適用事業所台帳
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 雇用契約書 等
  • 前職の雇用保険被保険者証
提出期限
  • 入社日(資格取得日)の属する月の翌月10日まで
提 出 先
  • 会社所在地を管轄するハローワーク

※65歳以上の人で、新たに採用される人達は対象になりません。

 

2.健康保険・厚生年金保険の手続き

次の届出書類を会社所在地を管轄する年金事務所等に提出します(提出時に提示が必要な書類もあります)。

新入社員に被扶養者(社員本人の社会保険の扶養家族になる人)がいる場合には、被扶養者の収入の確認(注1)と「健康保険被扶養者(異動)届」等の提出が必要になります。

届出書類
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

[被扶養者がいる場合は以下も必要]

  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 国民年金第3号被保険者関係届(被扶養者が配偶者の場合)
提示書類
  • 年金手帳
  • 配偶者の年金手帳(被扶養者が配偶者の場合)
  • 在学証明書、住民税の非課税証明書など(被扶養者が配偶者以外の場合)
提出期限 入社日(資格取得日)から5日以内
提 出 先 会社所在地を管轄する年金事務所等

(注1) 被扶養者になれる収入の要件 次の1,2のいずれにも該当する場合(同居の場合)
1 年間収入が130万円未満(60歳以上75歳未満の人や一定の障害者の場合は180万円未満)
2 被保険者の年間収入の2分の1未満

 

●健康保険証が届くまでの間に病院にかかりたいときはどうする?

社会保険の手続き後、健康保険証が届くまでの間(一般に協会けんぽの場合1~2週間)に、現在、通院中や通院を希望する新入社員がいる場合には、「健康保険資格証明書」を発行してもらうことで、健康保険証の代用とすることができます。

[必要な手続き]   「健康保険被保険者資格証明書交付申請書」を提出します。

 

知っておきたい社会保険への加入義務

社会保険に加入していない中小企業が少なくないようです。個人事業から法人になった場合などに、加入義務があるにもかかわらず、そのままになっていることもあるようです。国も対策に力を入れ始めています。

Q1 零細企業は、社会保険に加入しなくていいの?

A1 法人であれば、たとえ社長一人の会社であっても、社会保険への加入義務があります。
「小規模だから社会保険に加入する必要はない」と誤解をしている法人企業の経営者がいるようですが、従業員数等に関係なく、すべての法人企業が加入しなければなりません。

社会保険の加入義務
  • すべての法人事業所(注1)
  • 常時従業員を5人以上雇用する個人事業者(注2)

(注1) 社長(報酬あり)1人の法人であっても加入義務があります。
(注2) 5人以上の個人事業所でも、一部のサービス業(クリーニング、飲食店等)や農林、水産業等は除かれます。

Q2 パートやアルバイトは、社会保険に加入しなくてもいいの?

A2 勤務実態によって社会保険の加入対象になる場合もあります。
パートやアルバイトについては、給与の支給金額ベースではなく、その人か働いている実態(労働日数・労働時間)で判断します。勤務実態が正社員とほとんど変わらない場合は、社会保険の加入対象になると思われます。

雇用保険の加入の目安 健康保険・厚生年金保険の加入の目安
次の1,2のいずれにも該当する場合

  1. 31日以上の雇用見込みがあること
  2. 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上であること
1日または1週間の勤務時間や1か月の勤務日数が、
その会社の正社員のおおむね3/4以上の人

 

平成27年春から、厚生年金未加入事業所への対策が強化される!

これまでも社会保険の加入調査は実施されていましたが、平成27年春から、厚生年金の加入逃れを防ぐため、国税庁のデータ等を活用し、加入義務があるにもかかわらず、厚生年金未加入の企業等に対して日本年金機構が加入を求め、加入に応じない場合には強制加入させることもあるとの新聞報道がされています。

(参考:日本経済新聞2014/7/4付、朝日新聞2014/7/22付)

在庫管理はきちんとできていますか?

会社は、販売や製造のために、商品、製品、仕掛品などを在庫(たな卸資産)として保有しています。過剰在庫や欠品は、業績にも影響するため、在庫管理は経営上とても重要です。

会社の業績悪化や資金繰りが厳しくなる要因には、売上減少の他、在庫の増減が挙げられます。

過剰在庫(仕入れ過ぎ)や滞留在庫(売れ残り)などは、資金繰りに影響しますし、欠品などは売上の機会損失になります。また破損や汚れのある商品は値引販売や廃棄処分の対象となり、紛失・盗難なども、資産を減少させることになります。そのため、経営上、在庫管理はとても大切なのです。
在庫管理というと、難しく捉えられがちですが、まずは、倉庫内をきれいに清掃・整理・整頓し、日常の商品の入出庫管理をきちんと行います。その上で、定期的に実地たな卸を行うことで、過剰在庫、滞留在庫等を早期に発見することができ、迅速な経営判断が行いやすくなります。

下記のチェックリストで自社の在庫管理の状況についてチェックしてみましょう。

チェックリスト
チェックリスト

4月から消費税のみなし仕入率が一部見直されます!

平成27年4月1日から消費税簡易課税制度における金融業及び保険業、不動産業のみなし仕入率が引き下げられます。簡易課税を選択している不動産業者などは増税になります。

不動産業のみなし仕入率は40%に

簡易課税制度は、以下のように簡易に消費税の納税額を計算する方法です。
消費税納税額=課税売上高に係る消費税額-(課税売上高に係る消費税額×みなし仕入率)
これまで第四種事業であった金融業及び保険業が第五種事業とされることで、みなし仕入率が従前の60%から50%に引き下げられます。また新たにみなし仕入率を40%とする第六種事業が創設され、不動産業が第五種事業(みなし仕入率50%)からこの区分に移行されます(図表1参照)。

図表1 みなし仕入率の改正(改正分のみ掲載)
業種 従前 改正後
事業区分 みなし仕入率 事業区分 みなし仕入率
金融業及び保険業 第四種事業 60% 第五種事業 50%
不動産業(注) 第五種事業 50% 第六種事業(新設) 40%

適用は、原則的には平成27年4月1日以後に開始する課税期間からです。
簡易課税制度の適用により、事業者にいわゆる益税(利益)が生じているとされ、消費税率引き上げによってこれらの業種の益税が増加すると予測されることから、みなし仕入率が改正されたものと思われます。改正の影響を受ける事業者は、消費税額の算定に注意するとともに、消費税負担額がどのように変わるかについて検討・留意しましょう。
なお、自社に影響があるかどうかを図表2で確認しておきましょう。

図表2 みなし仕入率の見直しによる影響の有無
図表2 みなし仕入率の見直しによる影響の有無

注意!
簡易課税制度選択届出書を過去に提出した事業者は要注意!
簡易課税制度選択届出書を提出すると、その効力は選択不適用届出書を提出しない限り消滅しません。そのため、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えたときは本則課税を適用し、5,000万円以下になったときは簡易課税を適用しなければならず、間違いが生じやすいので注意して下さい。

適用できる優遇税制はないか?

企業が行った賃上げや設備投資などについて、いくつかの優遇税制※があり、上手に活用することで税負担を軽減することができます。3月末に決算を控える企業は、駆け込みで活用できるものがないか確認してみましょう。

1 従業員の賃上げに取り組んだとき-所得拡大促進税制

従業員の賃金を一定以上増加させた場合、賃金増加額の10%を法人税額から控除して、当期の税負担を軽減できる所得拡大促進税制があります(中小企業等は法人税額の20%が限度)。
この制度は、平成26年4月1日から平成27年3月31日までに開始する事業年度に適用する場合は、適用条件である賃金の増加率が「2%以上」と緩和され、利用しやすくなっています。
また、適用にあたっては、事前申請等の必要がなく、賃上げの対象には、ベースアップだけではなく、賞与や諸手当も含まれるため、3月末の決算賞与の支給などによって、適用条件を満たす可能性があります(図表1)

図表1 適用にあたっての確認事項
図表1 適用にあたっての確認事項

●所得拡大促進税制のポイント

  1. 事前申請等の必要がありません
  2. 制度は平成30年3月末までに開始する事業年度まで継続するため、今年度は利用できなくても、来年度は利用できる可能性があります。
  3. 資金の増加には、賞与や諸手当のアップも含まれます。
  4. 平均給与算定の対象が適用事業年度及びその前事業年度において給与の支給を受けた「継続雇用者」に限定されるため、新規採用が増加しても大丈夫です。
  5. 個人事業者も利用可能です。

2 機械や備品の購入など、設備投資を行ったとき

(1) パソコンなど少額の設備(取得価額30万円未満)を購入した場合
新品・中古を問わず取得した減価償却資産(取得価額30万円未満)の取得価額の全額(取得価額の合計額が300万円以下)を損金算入することができます。

対象となる減価償却資産

  • 器具備品、機械装置、パソコン
  • ソフトウェア、特許権、商標権
  • 所有権移転外リース取引に係る賃借人が取得したとされる資産

(2) 機械装置などを購入した場合-中小企業投資促進税制-

中小企業者等が機械装置などを取得し、事業に利用した場合に、当期の税負担を軽減できる場合があります。具体的には、取得価額の30%の特別償却、または取得価額の7%の税額控除のどちらかを選択適用することになります(資本金3,000万円以下の法人に限る)。

中小企業投資促進税制
資本金等 特別償却 税額控除
3,000万円以下 30% 7%
3,000万円超1億円以下 30% 適用なし

 

対象となる設備の例

  • 機械装置(1台160万円以上のもの)
  • 器具備品・工具(1台30万円以上かつ複数台合計で120万円以上の試験または測定機器、測定・検査工具等)
  • ソフトウェア(一つまたは複数の合計で70万円以上)
  • 貨物自動車(車両総重量3.5t以上)
  • 内航船舶(取得価額の75%が対象)

(3) 生産性向上に役立つ設備を購入した場合-中小企業投資促進税制の上乗せ措置-

中小企業投資促進税制の対象設備のうち、生産性向上に役立つ先端設備などを導入した場合には、優遇措置にさらに上乗せ措置が適用できる可能性があります。

上乗せ措置
資本金等 特別償却 税額控除
3,000万円以下 100% 10%
3,000万円超1億円以下 100%   7%

上乗せ措置の対象となる設備の例(先端設備を導入する場合)

旧モデルと比べて年平均1%以上生産性を向上させるなど一定の要件を満たす以下の最新設備※

  • 全ての機械装置
  • サーバー
  • 試験または測定器
  • 稼働状況の情報収集・分析・指示機能のあるソフトウェア

※先端投資等としてメーカーから証明書を受けとる。
(注意)平成26年1月20日から平成29年3月31日までの間に対象資産の取得等をした場合に適用されます。