ふるさと納税制度が改正されます

~ワンストップ特例で確定申告が不要~
特典が話題となり、関心の高い「ふるさと納税制度」ですが、平成27年度税制改正により、控除限度額の引き上げや確定申告が不要になるなど、より利用しやすくなります。
※本欄は、「地方税法等の一部を改正する法律案」(平成27年2月17日国会提出)等をもとに編集しています。

ふるさと納税とは?

ふるさと納税は、ふるさとや応援したい都道府県や市区町村(以下、地方自治体)に寄附をすると、寄附金額から2,000円を差し引いた額が、一定限度額まで、原則として所得税・個人住民税から全額が控除される制度です。

改正点1 減税額が2倍になります

ふるさと納税において、所得税・個人住民税から控除できる金額の上限(減税額)は、これまで個人住民税の所得割額の1割でしたが、これが2倍の2割に引き上げられます(平成28年度分以後の個人住民税から適用。住民税は前年課税のルールのため、平成27年1月1日以後のふるさと納税から対象)。

■全額控除される寄付額の目安(2,000円を除く)

寄附者本人の給与収入

夫婦又は共働きで子1人(高校生)

夫婦+子1人(高校生)

夫婦+子2人(高校生と大学生)

改正前

改正後

改正前

改正後

改正前

改正後

500万円

30,000円

60,000円

24,000円

48,000円

17,000円

34,000円

600万円

39,000円

78,000円

35,000円

70,000円

27,000円

54,000円

700万円

55,000円

110,000円

44,000円

88,000円

38,000円

76,000円

改正点2 確定申告が不要になります

これまで、サラリーマンなど確定申告が不要な給与所得者であっても、ふるさと納税による控除を受けるためには、所得税の確定申告が必要でした。
改正により、平成27年4月1日以後のふるさと納税から、寄附先の地方自治体に寄附の控除申請を要請することで、原則として確定申告が不要になります。(ふるさと納税ワンストップ特例制度)。

 

ここに注意!

次の場合は、これまでどおり確定申告が必要です

  1.  平成27年1月1日~同年3月31日までにふるさと納税をした場合
  2.  5か所超の地方自治体にふるさと納税をした場合

 

  • 総務省が豪華特典について自粛を要請!

ふるさと納税によって、寄附先の地方自治体からお礼として特産品など豪華な特典が送られることが話題になり、これを目当てに複数の地方自治体に寄附する人が増えています。このため、総務省は、寄附募集時に「対価の提供」と誤解を招く可能性のある行為などの自粛を地方自治体に要請することになりました。その結果、返戻割合の高い特産品や換金性のあるプリペイドカードなどは自粛されそうです。

 

附帯税に注意!

申告期限までに申告書を提出しなかったり、納付期限までに税金を納付しなかった場合や、税務調査などにより追徴課税された場合などには、本来納めるべき税金の他に附帯税が課税されます。意外に重い負担になるので注意しましょう。

どんなときに附帯税が課税されるのか

附帯税は、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税、不納付加算税、重加算税などの総称で、期限内に適正に申告・納付した人との負担の公平化を図り、滞納防止と滞納された税金の早期納付を促すこと等を目的として課されています。附帯税は所得税や法人税をはじめ、各種税金の計算をする上で損金算入は認められません(利子税は除く)。

CASE1・・・延滞税
申告書は期限内に提出したが、納付税額を期限内に完納しなかったとき
納付すべき税額の一部または全部を納付期限までに納税しないと延滞税が課せられます。
(延滞税が課税される例)

  1. 予定納税額や源泉徴収税額を期限内に完納しなかったとき
  2. 納税通知による納付税額を完納しなかったとき
  3. 期限後申告や修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税金があるとき

CASE2・・・利子税
延納や申告書の提出期限を延長したとき
次のような場合は、本来納付する税金と合わせて利子税が課税されます。

(利子税が課税される例)

  1. 法人税申告書の提出期限を延長したとき
  2. 所得税や相続税を延納したとき
  3. 災害等のために申告書の提出期限を延長したとき
[参考] 延滞税や利子税の割合(平成26年の例)
延滞税 納期限の翌日から2月を経過する日まで 2.9%
納期限の翌日から2月を経過した日以後 9.2%
利子税 1.9%

 

●中間申告と納付の遅れに注意!
前期の法人税納付額が20万円を超えると、今期に法人税の中間申告・納付をする必要があります。この中間申告の納付が遅れた場合、納付日までの延滞税が課税されますので注意してください。
「前払いなのに、なぜ延滞?」と疑問に思われるかもしれませんが、これは2月以内に納付するという法定申告期限があるためです。また、前期は大幅な利益が出たが、今期上半期の業績が良くないときは、仮決算(所得税の場合は予定納税の減額承認申請)を行うことで、納付税額を圧縮することができます。

CASE3・・・過少申告課税
期限内に申告・納付したが、その後、税務調査を受け、納めた税金が少なかったために修正申告になったとき
税務調査後に、修正申告した(または税務署から更正を受けた)場合には、追加で納める税金の他に過少申告加算税が課税されます。

過少申告課税
原則 10%
当初の納付額と50万円のいずれか多い金額を超える部分 15%
自主的に修正申告した場合 不適用

CASE4・・・無申告加算税
期限後に申告書を提出したとき
期限後に申告した(または税務署による課税所得の決定が行われた)場合は、原則として無申告加算税が課税されます。

無申告加算税
納付税額の50万円までの部分 15%
納付税額の50万円超の部分 20%
自主的に申告した場合 5%
正当な理由など 不適用

CASE5・・・不納付加算税
源泉所得税の納付を忘れてしまい、納期限に遅れてしまったとき
源泉徴収税等の納付期限までに完納されなかったとき、不納付加算税が加算されます。

不納付加算税
原則 10%
自主的に申告した場合 5%
正当な理由など 不適用

 

余分な税金を負担しないためにも適正な申告を!

税務調査等で申告の誤りを指摘され、修正申告等になると、余分な附帯税を負担することになります。
そうならないためにも、自社で適時に正確な記帳を行い、毎月、会計事務所の巡回監査において、その内容のチェックと改善指導を受けることで、適正な申告をしましょう。

 

  • 最も重い重加算税とは・・・

過少申告加算税や無申告加算税、不納付加算税が課される場合において、所得の隠ぺい、仮装がある時には、過少申告加算税等に変わって最も重い重加算税が課税されます。

重加算税
過少申告加算税に代わる重加算税 35%
無申告加算税に代わる重加算税 40%
不納付加算税に代わる重加算税 35%

 

中間申告・納付等の漏れがないよう、自社の納付期限を確認してみよう!

納付期限チェックリスト
□ 1源泉所得税の納付は毎月ですか、(納付の特例の適用を受けている場合)年2回ですか

□ 毎月納付・・・翌月10日まで

□ 年2回・・・(1~6月分は7月10日まで・7~12月分は1月20日まで)

□ 2 法人税の中間申告・納付はありますか。(前期の法人税額が20万円以上など)
□ 3 消費税の中間申告・納付はありますか。(前事業年度の確定消費税額<地方消費税を除く>によって異なる)
前事業年度の確定消費税額が □ 48万円以下・・・原則中間申告不要・年1回の任意中間申告(及び確定申告1回)
□ 48万円超400万円以下・・・年1回の中間申告(及び確定申告1回)
□ 400万円超4,800万円以下・・・年3回の中間報告(及び確定申告1回)
□ 4,800万円超・・・年11回の中間申告(及び確定申告1回)
(個人事業者の場合)
□ 4 所得税の延納の届出をしていますか。(延納税額の納付・・・5月31日まで)
□ 5 所得税の予定納税はありますか。(前年分の申告税額が15万円以上の場合)
   ●第1期分の納付・・・7月31日まで  ●第2期分の納付・・・11月30日まで

 

国外に財産をお持ちの方は「国外財産調書」の提出をお忘れなく!

平成26年12月31日において価額の合計額が5千万円を超える国外財産(海外預金や海外不動産)を所有する方は、平成27年3月16日(月)までに国外財産調書を提出しましょう。
国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、記載があった国外財産に所得税・贈与税の申告漏れがあっても、過少申告加算税が5%軽減されます。また期限内に提出しなかった、または提出したが記載がない国外財産がある(記載の不十分を含む)場合に、所得税の申告漏れがあると、過少申告加算税等が5%加重されます。提出を忘れないようにしましょう。

確定申告で医療費控除を受ける時の留意点

所得税の確定申告が近づいてきました。昨年1年間に支払った医療費について医療費控除を受けるには、年末調整を受けた人も確定申告する必要があります。間違いも多く見受けられますので注意しましょう。

支払った医療費は所得から差し引かれます

医療費控除は、本人または家族(生計をともにする配偶者やその他の親族)のために支払った1年間の医療費が一定額を超えた場合に、確定申告をすることで税金の還付または軽減を受けることができる制度です。
支払った医療費をそのまま税金から差し引くのではなく、その年の所得から次の算式により計算した医療費控除額及びその他の所得控除額を差し引いた残額に税金がかかることになります。
<医療費控除額の計算式>

実際に支払った医療費-保険金等による補てん金額(注1)-10万円(注2)=医療費控除額(最高200万円)
(注1) 生命保険等の入院給付金、健康保険の高額医療費や出産育児一時金など。
(注2) その年の総所得金額が200万円未満の人は総所得金額等の5%となります。

[ケース]  給与の年収500万円(他に所得なし)の人が昨年(平成26年)1年間に20万円の医療費を支払った。保険金等による補てんはなかった。この場合の医療費控除額は次のとおりになります。
20万円(実際に支払った医療費)-0円(保険金等による補てん金額)-10万円=10万円(医療費控除額)
したがって、この医療費控除額10万円に、その他の所得控除額がプラスされ、昨年の所得から差し引かれます。

医療費控除の対象となる医療費とは?

医療費控除の対象となる医療費は、支払った医療費のうち治療などのために通常必要と認められるものです。例えば次のようなものが該当します。
<医療費控除の対象となる医療費の例>

  1. 医師、歯科医師に支払った医療費
  2. 治療、療養に必要な医薬品の購入費
  3. 病気やケガなどで病院等に運ばれた際の費用
  4. 通院等のために通常必要な交通費
  5. 保健師や看護師、付添婦などに支払った療養上の世話を受けるための費用
  6. 助産婦による分べんの介助料
  7. 介護保険制度の下で提供された一定のサービスの自己負担額
  8. 治療のために按摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに支払った施術費
  9. 入院の際の部屋代や食事代、治療等に直接必要な医療用器具等の購入費
  10. 6か月以上寝たきりの場合などのおむつ代(原則医師の証明書が必要)など

医療費控除の対象になるもの・ならないものの例

医療費控除の対象になるもの

例1:生計を一にする社会人の子供のために支払った医療費も対象になる

「生計を一にする」とは、扶養や同居が要件となるものではなく、同じ生活共同体で日常生活の糧をともにしていることです。生計を一にしていれば次のような場合も、その医療費を支払った人が医療費控除を受けられます。

  • 共働きの夫婦で夫が配偶者控除の対象とならない妻の医療費を支払った。
  • 父親が社会人の子供の医療費を支払った。

例2:レーシック手術の費用は対象になる

眼科医による視力回復のためのレーシック手術(視力回復レーザー手術)や角膜矯正療法(オルソケラトロジー治療)の費用は医療費控除の対象になります。

 

医療費控除の対象にならないもの

例1:インフルエンザ予防接種の費用は対象にならない

インフルエンザの予防接種は、病気の治療ではなく、あくまでも予防であるため医療費控除の対象にはなりません。
※インフルエンザに感染した場合の医療機関での診察費用は医療費控除の対象になります。

例2:自家用車による通院のためのガソリン代等は対象にならない

通院のための交通費(電車やバス等)は医療費控除の対象になりますが、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場の料金などは対象になりません。

例3:健康サプリメントや栄養ドリンクの購入費は対象にならない

健康サプリメントや栄養ドリンク、ビタミン剤などの病気予防や健康増進のための医薬品の購入代金は、治療目的ではないので医療費控除の対象になりません。

例4:美容目的のための歯列矯正の費用は対象にならない

美容のための整形手術や歯列矯正は、医療費控除の対象にはなりません。ただし発育段階にある子供の成長を阻害しないために行う不正咬合の歯列矯正の費用は対象になります。

医療費控除の事務処理と手続き

  1.  医療費の領収書は、治療等を受けた人別・病院別などに分けて整理しておくと集計しやすくなります。
  2. 医療費の領収書などの日付を確認し、他の年分が混ざらないように注意しましょう。
    ※治療を受けた期間に関係なく、平成26年1月1日~同12月31日までに支払ったものが平成26年分の医療費控除の対象になります。平成26年12月に入院し、翌27年の1月に退院した際に医療費の全額を支払った場合は平成27年分の医療費控除の対象になります。
  3. 領収書は確定申告書に添付するか、提出の際に提示する必要があります。
  4. 医療費控除は5年前までさかのぼって申告できます。
    ※例えば、過去にある程度まとまった額の医療費を支払っていたのに医療費控除の申告をしていなかった場合、5年前までさかのぼって医療費控除を受けることができます。(更生の請求期間は5年に延びている)

「扶養控除等(異動)申告書」などの記載上の注意点

「扶養控除等(異動)申告書」「保険料控除申告書」は、従業員が配偶者控除や扶養控除、障害者控除、保険料控除などを受けるための申告書ですが、記載間違いや記入モレがあると正しい計算を行うことができません。以下の記載上の注意ポイントを社員によく説明して正しく記載してもらいましょう。

「扶養控除等(異動)申告書」記載上の注意ポイント

  • 16歳未満の子供(扶養親族)は申告書下段の「住民税に関する事項」欄に記載する。

「A 控除対象配偶者」欄又は「B 控除対象扶養親族」欄に、配偶者又は扶養親族の氏名、続柄、生年月日を漏れなく記載します(図表1-)。ただし、満16歳未満の子供(扶養親族)に対する扶養控除は平成23年に廃止されているので、「控除対象扶養親族」欄ではなく申告書の下段の「住民税に関する事項」の「16歳未満の扶養親族」欄に記載します。記入漏れのないよう注意しましょう(図表1-)。

 

  • 扶養親族等の収入をよく確認し、漏れなく「所得金額」を記載する

控除対象配偶者や控除対象扶養親族の欄の「所得の見積額」欄には、パート・アルバイト及び年金などの所得がある場合に、1年間の「所得の見積額」を記載しますが、所得があるにもかかわらず記載が漏れていることがあります。」なお記載するのは、「収入金額」ではなく、「所得金額」であることに注意しましょう(図表1-)。
※「所得金額」とは、収入から必要経費(給与の場合は給与所得控除額)を差し引いたものです。配偶者の年収がパート収入のみの場合、1年間の年収額(税金や社会保険料等を差し引く前の金額)から65万円を控除した金額を記載してもらいましょう。

 

  • 扶養親族が70歳以上の父母等の場合は「同居老親等」又は「その他」のいずれかに「○」を付ける

70歳以上の父母・祖父母等を扶養している場合、「同居老親等」又は「その他」のどちらかを「○」で囲みます(図表1-
※「同居老親等」とは、満70歳以上の扶養親族のうち本人又はその配偶者の直系尊属(父母や祖父母など)で常に同居している人をいいます。常に同居している老親等が病気で入院し別居になった場合でも同居老親等に該当しますが、老人ホーム等に入所している場合は該当しません。なお、本年中に扶養親族が亡くなった場合でも扶養控除の対象になります。

 

  • 障害者控除・寡婦控除等を受けられる場合は、漏れなく記載する

本人が障害者、あるいは障害者を扶養していると、障害者控除の対象になります。「C障害者、寡婦等」欄の「左記の内容」欄に障害者手帳の種類、障害の等級、状況などを漏れなく記載します。
夫(妻)と死別あるいは離婚し、その後も婚姻していない人や、夫(妻)の生死が明らかでない人は、一定の条件のもと寡婦(夫)控除が受けられる場合があります。該当する場合は記入しましょう(図表1-)。

 

図表1給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の記載例
図表1給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の記載例

「保険料控除申告書」記載上の注意ポイント

  • 契約している生命保険が新制度か旧制度かの区分を正しく記載する

生命保険料控除では「一般の生命保険」「介護医療保険」「個人年金」の3種類になっているので、それぞれ正しく記載します。その際、適用制度(新制度又は旧制度)を確認して「新・旧の区分」欄の「新」又は「旧」のいずれかに「○」を必ず付けるようにします。

 

  • 保険金等の受取人の氏名や続柄なども漏れなく記載する

「保険等の契約者の氏名」のみならず「保険金等の受取人」の「氏名」や「続柄」なども記入します。親族等が契約した生命保険であっても、本人が保険料を負担し ている場合は控除の対象になります(ただし、本人またはその配偶者や親族が保険金の受取人になっているものに限る)。

 

  • 保険料等の金額は本年1年間に支払った金額を記載する

保険料控除申告書には、「本年中に支払った保険料等の金額」となっているので、12月までに支払った金額から割戻金等を差し引いた金額を記載します。保険会社によっては多少表現が異なります。例えば、保険会社の控除証明書の証明金額が「証明書発行時に支払われた金額」などとなっていることもあるので、よく確 認し、正しく記載します。

年末調整・確定申告の手続きに必要な書類の紛失に注意!

10月頃から年末調整や確定申告の手続きに必要な保険に関する控除証明書等が社員の自宅に届きはじめます。年末調整や確定申告で各種の控除を受けるには、こうした書類が必要です。

「保険料控除証明書」等を紛失しないよう社員に注意を喚起

年末調整や確定申告で各種の控除を受けるには控除証明書などの書類の添付等が必要になります。

例えば、生命保険料を支払っている人で、年末調整等で生命保険料控除を受けるには、控除証明書を添付または提示しなければなりません(コピーは不可)が、控除証明書は、通常、契約先の保険会杜から 10月頃に送られてきます。数年分まとめて送られてくる場合もありますので、無くしてしまうケースが多く見受けられます。

控除証明書など控除を受けるのに必要と思われる書類はきちんと保管しておくように社員に注意を促しましょう。

年末調整で必要な主な書類は図表1のとおりです。また図表2は確定申告で控除を受けるのに必要な書類です。

図表1 年末調整で控除を受けるのに必要な主な書類
控除 必要書類 証明書等の発行元
生命保険料控除 生命保険料控除証明書(一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料がそれぞれ分かるもの) 生命保険会社
地震保険料控除 地震保険料控除証明書 損害保険会社
社会保険料控除 社員自身が納付した国民年金保険料、国民年金基金の掛金の控除証明書や領収書(生計を一にする親族の負担分を含む) 日本年金機構
国民年金基金
小規模企業共済等掛金控除 小規模企業共済等掛金払込証明書(小規模企業共済に加入している人) (独)中小企業基盤整備機構
住宅ローン控除(2年目以降)※ 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 税務署
住宅ローンの年末残高証明書 金融機関
図表2 確定申告で控除を受ける場合に必要な主な書類
控除 必要書類
医療費控除 医療機関等に支払った医療費や通院時の交通費等の領収書など
住宅ローン控除(初年度)※ 土地・建物の登記簿謄本、金融機関等からの借入金残高証明書、住民票の写し、源泉徴収票、売買契約書または建築請負契約書など
寄附金控除(ふるさと納税等) 寄附年月日、寄附金額、控除対象となる旨を証する書類
雑損控除(災害を受けた場合) 災害関連支出及び災害時のやむを得ない支出の際の領収書

※住宅ローン控除の初年度は確定申告で行う必要がありますが、2年目以降は、年末調整で行うことができます。

パートで働く主婦の税金と社会保険

年末が近づくと、パートで働く主婦には、夫の扶養の範囲内に収まるのかどうか、いわゆる「l03万円の壁」や「130万円の壁」が気になるところです。

※本欄では説明をわかりやすくするため、パートで働く妻とサラリーマンの夫を例に解説します。

1 パートの年収が103万円を超えると所得税がかかる

パートで働く主婦の年収(給与収入のみでほかに収入がない場合)が103万円以下であれば、主婦本人に所得税が課税されないうえ、夫は所得税の配偶者控除(注1)を受けることができます。

そのため、年収が103万円を超えないように主婦が働く時間を調整することから「103万円の壁」といわれます。

主婦の年収が103万円を超えると、夫は配偶者控除を受けられなくなりますが、夫の収入が一定額以下(注2)で、かつ主婦の年収が141万円未満であれば、配偶者特別控除を受けることができます。

配偶者特別控除は、妻の年収に応じて夫の所得から38万円~3万円を控除することで、税負担を緩和(世帯の手取収入が一気に減らないように)するものです(図表1・2)。

(注1)所得税において、収入が103万円以下の妻がいる場合、夫の所得から38万円が控除されます。

(注2)収入が給与収入のみであれば、概ね年収1,230万円以下が目安です。夫の場合、夫の所得から38万円が控除されます。

図表1 配偶者控除・配偶者特別控除早見表
本人(妻)のパート収入 配偶者控除 配偶者特別控除
103万円以下 38万円
103万円超 105万円未満 38万円
105万円以上 110万円未満 36万円
110万円以上 115万円未満 31万円
115万円以上 120万円未満 26万円
120万円以上 125万円未満 21万円
125万円以上 130万円未満 16万円
130万円以上 135万円未満 11万円
135万円以上 140万円未満 6万円
140万円以上 141万円未満 3万円
141万円以上
図表2 例:夫の収入が500万円の場合の世帯(妻と小学生の子供2人)の所得税額
妻の収入 100万円 125万円 140万円
妻の所得税 0円 1万1,000円 1万8,500円
夫の所得税 17万2,500円 19万4,500円 20万7,500円
世帯の税金 17万2,500円 20万5,500円 22万6,000円

※金額は概算です(復興所得税は除く)。

2 パートの年収が130万円以上になると扶養から外れる

サラリーマンの妻は、夫の社会保険の扶養等になることで、社会保険料(健康保険料、国民年金保険料)が免除されています。

しかし、パートの年収が130万円以上になると(注3)、夫が加入する社会保険(健康保険・年金)の扶養家族(被扶養者)の範囲等から外れてしまい、妻本人が社会保険料を支払う必要があります。そのため、「130万円の壁」ともいわれます。

また、前述のように、所得税においては103万円を超えたときには、段階的に負担が生じるしくみになっていますが、社会保険料については、130万円以上になると一気に負担が発生するため、主婦にとって大きな壁といえます(注4)。

(注 3)ここでいう年収には交通費も含まれます。また、60歳以上又は障害者の場合は 180万円以上になります。

(注4)例えば、東京都の場合、パート収入が140万円であれば、年間の社会保険料は、概算で健康保険料7万600円((40歳以上の場合は8万2,760円)、厚生年金保険料は12万3,720円くらいになります。

3 パートの収入と所得税、住民税、配偶者控除等、社会保険の扶養の関係

収入と所得税、配偶者控除、社会保険料の負担の関係を一覧表にまとめると図表3のようになります。

図表3 パート収入のみの場合の所得税、住民税、配偶者控除等、社会保険料負担の関係
パート収入 パートで働く主婦の税金 夫の配偶者控除の適用 パート本人(妻)の社会保険料の負担(注6)
所得税 住民税(注5) 配偶者控除 配偶者特別控除
所得割 均等割
100万円以下 非課税 非課税 課税or非課税
100万円超 103万円以下 非課税 課税
103万円超 130万円未満 課税 課税
130万円以上 141万円未満 課税 課税
141万円以上 課税 課税

(注5)103万円以下でも住民税が課税される

年収が103万円以下であっても、100万円を超えると住民税がかかります。

住民税には、所得金額に対して課税される「所得割」と、所得金額にかかわらず、均等額を負担する「均等割」があります。一般に、年収100万円以下で、ほかに収入がなければ住民税は非課税ですが、自治体によっては、年収93万円や96万5千円を超えると住民税のうち均等割が課税されるところもあります。

所得割:標準税率10%(都道府県民税4%、市町村民税6%)

均等割:年額5,000円(都道府県民税1,500円、市町村民税3,500円)。一部自治体は税額が異なる。

(注6)所定労働時間によっては、収入に関係なく、社会保険に加入しなければなりません。

復興増税<法人税>はどう変わる!?

東日本大震災の複興財源を確保するための臨時増税を盛り込んだ複興財源確保法と平成23年度税制改正で積み残しとなっていた法案のうち一部が成立しました。
その結果、法人税はどう変わるでしょうか。

<法人税>臨時増税と恒久減税をセットで実施
法人税は、実効税率の引き下げ(恒久減税)と3年間の臨時増税との組み合わせが行われます。
平成24年4月から、現在の国・地方を合わせた法人実効税率が5%引き下げられ、法人税(国税)が現行の30%から25.5%に引き下げられます。また、中小法人(資本金1億円以下)の所得金額のうち年800万円以下の部分に適用される軽減税率22%(特例により18%)が19%(特例により15%)に引き下げられます。

法人税率の引き下げ
改正前 改正後
中小法人の年間所得金額
800万円以下の部分
22%(特例18%) 19%(特例15%)
中小法人の年間所得金額
800万円超の部分
30% 25.5%
普通法人 30% 25.5%

※同時に、研究開発などの企業向け優遇税制の縮小も行われるため、個々の企業によって影響が異なります。
※軽減税率15%は、平成24年4月1日から同27年3月31日までの間に開始する事業年度について適用されます。

以上のように、法人税の税率を引き下げたうえで、「復興特別法人税」として、法人税額の10%分が上乗せされます。

復興増税のうち法人税の税額推移表

復興増税<所得税>はどう変わる!?

所得税は、平成25年分の所得税から、「復興特別所得税」として、所得税額の2.1%分が上乗せされます(図表3)。  この場合の課税される「所得税額」には申告納税する所得税のほか、源泉所得税も含ま れます。

復興特別所得税のイメージ
復興特別所得税のイメージ

したがって、源泉徴収する場合には、通常の源泉所得税のほかに、復興特別所得税として、源泉所得税の2.1%を徴収し、法定の納期限までに納付することになります。
増税の期間は、25年間(平成49年分の所得税まで)となります。また、年末調整の対象 になります。
サラリーマンで専業主婦、子供が2人いる世帯及び単身世帯の年間増税額の試算は、図表4のようになります。

図表4:所得税の年間増税額の試算
給与収入 夫婦と子供2人 単身者
300万円 200円 1,300円
400万円 900円 2,000円
500万円 1,600円 3,400円
600万円 2,700円 4,800円
800万円 7,000円 11,300円
1,000万円 14,000円 18,200円
1,500万円 37,200円 44,200円
2,000万円 70,100円 77,100円

復興増税のスケジュール

復興財源確保法と平成23年度改正で積み残しとなっていた法案のうち一部が成立しました。復興増税のスケジュールは下記のとおりです。

復興増税のスケジュール
復興増税のスケジュール

法人税は平成24年4月から平成27年3月まで、個人所得税は平成25年1月から平成49年12月まで、個人住民税は平成26年6月から平成36年5月まで増税されます。