経営者の引退に備える小規模共済のメリット

小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主(共同経営者を含む)または会社等の役員の方が事業をやめられたり、退職されたりした場合に、生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておく共済制度です。いわば「経営者の退職金制度」といえます。

制度に加入できる人は?

加入できるのは、常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業<宿泊業、娯楽業を除く>は5人以下)の個人事業主やその経営に携わる共同経営者、会社等の役員です。

ダブルの節税効果

この制度は、掛金を払い込む時と共済金を受け取る時、それぞれに節税を受けられるというメリットがあります。

1. 掛金を払い込む時

掛金の全額を、契約者個人の所得から控除することができます。掛金は月額1,000円から7万円の範囲(500円単位)で自由に設定でき、例えば毎月の掛金が最高額の7万円の場合、年間84万円の所得控除が受けられます。
また、掛金は前納することができ、前納月数が12か月以内であれば、掛金全額を前納した年分の所得から控除することができます。
さらに、一定割合の前納減額金も受け取れます。

●12月に1年分を前納すると

例えば、今年12月に加入し、同時に掛金を1年分(来年11月分まで)納付した場合、その掛金の全額を今年分の所得から控除することができます。また、前納の場合、一定割合の前納減額金も受け取れます。


2. 将来、共済金を受け取る時

将来、共済金を受け取る際、一括受取の場合には退職所得扱いに、分割受取の場合には公的年金と同様の雑所得扱いになり、どちらも所得控除のメリットがあります。
※共済金は、「一括」「分割(10年・15年)」「一括と分割の併用」の3つの方法から自由に選ぶことができます。

事業資金の貸付制度もある

契約者は、払い込んだ掛金の範囲内で事業資金等の貸付(無担保、無保証人)が受けられます(一定の条件あり)。

 

 

●共済金の受取事例

小規模企業共済制度は、加入中は節税面のメリットがありますが、加入の効果を最も感じていただけるのは、実際に共済金を受け取ったときです。
事例 1
長年、夫婦で続けていた小売業を高齢のため廃業しましたが、2,000万円ほどの共済金を受け取ることができました。資金繰りが苦しかったときには、何度も「解約したい」と思いましたが、毎月の掛金を最低限の1,000円にしてでも、解約せずに続けて良かったです。
事例 2
40代で大手スーパーを脱サラしてコンビニのオーナーになりました。開業時から毎月5万円の掛金で加入し、経営が苦しい時も、掛金を減額せずに20年以上払い続けました。このたび、高齢を理由に廃業しましたが、共済金が1,500万円もありました。これは大手スーパーの元同僚の退職金と比べても遜色のない金額でした。

小規模事業者の現状と未来

~2015年版小規模企業白書~
経済・社会構造の変化に伴い小規模事業者が大きく減少している状況のもと、中小企業庁は初めて「2015年版小規模企業白書」をまとめ、小規模事業者の構造・動向分析を行い、どういった事業者が持続的発展をしているか考察しています。

1 小規模事業者の現状

 

(1) 事業者の87%を占める小規模事業者

商業・サービス業では従業員5人以下、製造業では従業員20人以下を小規模事業者といいます。小規模企業白書では、会社のみならず個人事業も含めています。
わが国の事業者数は386万者あり、そのうち小規模事業者は334万者で全体の約87%を占めています。
なおこの小規模事業者334万者のうち、従業員5人以下の「小企業者」は312万者で小規模事業者の93%を占めています(図表1)。

図表1 小規模事業者のうち小企業者の占有率
図表1 小規模事業者のうち小企業者の占有率

(2) 小売業・製造業は30年でほぼ半減

小規模事業者の減少が進んでいます。小規模事業者数のピークであった1986年の約477万者に比べると143万者減少しています。
小規模事業者数を業種別に見ると、「小売業」はピーク時の1981年から50%減少し、「製造業」はピーク時の1981年から46%減とほぼ半減しています。
これに対して「サービス業」「不動産業」は微増傾向であり、それ以外の業種はほぼ横ばいとなっています。
構成比では、「小売業」「製造業」がシェアを落とし、「サービス業」と「建設業」「不動産業、金融保険業」のシェアが年々高まってきています。

 

2 簡易な経営計画でも前向きな経営意識が生まれた

小規模事業者の「事業の持続的な発展」を促進する政府の取組の一つである「小規模事業者持続化補助金」(※)の交付を受けた事業者へのアンケート調査では、全体(5,266者)の6割が同補助金の活用の条件とされている経営計画を「初めて作成した」と回答しています。

※小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が商工会等と一体になって、販路開拓に取り組む費用(例:チラシ作成費用など)を支援するもので、簡易な経営計画書が必須。

 

(1) 経営に向き合う意識が生まれる

経営計画を作成した事業者に感想を聞いたところ、「自社の強み・弱みが明らかになった」(50.8%)、「新たな事業を企画できた」(50.3%)との回答が5割を超え、「事業の見直しを行うきっかけとなった」(43.3%)との回答も4割を超えるなど、自社の経営と向き合おうとする意識が強くなっています(図表2)。

図表2 経営計画書の作成を経た小規模事業者の意識の変化(複数回答)
図表2 経営計画書の作成を経た小規模事業者の意識の変化(複数回答)

(2) 5割強が新規顧客を獲得

「新たな取引先や顧客の獲得状況」について質問したところ、新たな取引先や顧客を「獲得した」と回答した事業者は51.3%に達しました。「獲得できる見込み」(45.6%)と合わせると約97%の事業者が新たな取引先や顧客を獲得したと回答しています。
また、売上が「増加した」との回答は35.0%、「増加する見込み」は54.5%となっています。
このことから、小規模事業者にとっての経営計画の重要性が裏付けられたといえます。

 

3 地域需要の掘り起こしに挑戦する小規模事業者の例

同白書では、経営環境が大きく変化し厳しい状況が続く中でも、地域に密着し様々な創意工夫をしてたくましく事業活動を行っている小規模事業者を紹介しています。

(1) 顧客の創造に取り組む事例

高品質の理容・美容バサミの製造・販売・修理・メンテナンスを行う(株)グリーンマウス(千葉県)は、修理前のハサミの状態・問題点、クセ、日常の手入れ方法などきめ細かなカルテを修理したハサミとともにお客様に届けることで次第に地域の安定顧客を拡大し、さらにペット用ハサミの修理・メンテナンスへも進出して順調に売上を伸ばしている。

(2) 商店街活性化に取り組む事例

熊本県の「阿蘇一宮商店街」は、かつて客足が郊外へ遠のき寂しくなるばかりだった。その危機感から商店街の二代目を中心に「若きゃもん会」を結成し、看板商品の作成や店先に水飲み場を設置、通りに畳を敷いて自由に花見をする「お座敷商店街」の実施など企画を次々と打ち出し年間35万人近い観光客を集客。商店街の売上も安定するようになったという。

図表3 販路開拓を行う際の課題
図表3 販路開拓を行う際の課題

会社の「現場力」を高めよう

日本の中小企業の強みと言われる「現場力」を高めることで収益体質への転換を目指す考え方が最近注目されています。製造現場、販売現場などというように「現場」とは、企業が利益を生み出す場所を指します。

現場力には3つの段階がある

 

「現場力」に関する著書で知られる遠藤功氏は、現場力には次の3つの段階があるとしています。

 

(1) 保つ能力・・・「標準化」

「保つ能力」とは決められたことを確実に実行する力です。
「1人にしかできない」ではなく「誰にでもできる」マニュアル化を細かく行い、日々の業務で迅速な対応力を鍛え続けることで「保つ能力」が発揮されます。そのキーワードは「標準化」です。
JR東日本は毎日の乗降客が平均約1,700万人、70万キロ超の列車走行、ドアの開閉は620万回、信号確認140万回、踏切開閉70万回超と言いますが、数多くの小さな現場力によって正確で安全な列車運行を心がけています。

(2) よりよくする能力・・・「日々の改善の習慣化」

たとえ優れたマニュアルがあっても見直す努力が必要です。
無印良品で知られる良品計画では、たとえば「きれいなシャツのたたみ方」を標準化して全店に分解写真で徹底、優れた提案があれば取り入れ、マニュアルを常に更新しています。
「改善が習慣化した現場」こそ中小企業の目指すべき姿ではないでしょうか。

(3) 新しいものを生み出す能力・・・「改善から経営革新へ」

(1)と(2)の現場力は、HOW TO DO(いかに行うか)が基本ですが、「新しいものを生み出す能力」が発揮され、WHAT TO DO(何を行うか)の段階、すなわち革新的な新商品や新業態などを生み出すレベルまで進化することが現場力の究極です。

 

 

あなたの会社の「現場力」をチェックしてみましょう
  • いつも決められた通りに業務が遂行され、均一な品質レベルが常に確保されていますか。
  • 仕事の手順を細かく標準化した業務マニュアル等はありますか。
  • 特定の社員だけができる仕事を極力減らすように努めていますか。
  • 「標準納期」や「標準コスト」等の指針が明確に示されていますか。
  • 経営者は日頃から業務改善の努力を訴え、社員はこれに応えて改善を心がけていますか。
  • 現場の社員が業務改善について話し合いや提案のできる機会や仕組みがあり、業績アップにも結びついていますか。

判定

6個・・・現場力は最高レベル
5個~4個・・・現場力は良好レベル(継続しよう)
3個~2個・・・現場力は中レベル(標準化を徹底しよう)
1個~0個・・・現場力は潜在化レベル(頑張れば躍進が期待できます)


参考図書:遠藤功著『現場論「非凡な現場」をつくる論理と実践』(東洋経済新報社)

中小企業向け 資金繰り・事業再生支援策

政府の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」では、円安・原材料高騰に苦しむ中小企業向けの低利融資や、中小企業の資金繰り・事業再生を支援する制度の拡充・創設が行われています。

原材料高や電気料金値上げの影響を受けている企業への支援[拡充・創設]

●セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)
円安が進む中、原材料価格の高騰や電気料金の値上げなどの影響を受けている中小企業には、日本政策金融公庫による「セーフティネット貸付」があります。
今般、制度が拡充され、利益率が低下している場合や、認定支援機関の経営支援を受ける場合には、最大で金利が0.6%引き下げられます。
※その他「省エネルギー促進融資」等もあります。

■セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)の概要
貸付制度 (中小企業事業)7億2,000万円/(国民生活事業)4,800万円
貸付期間 運転資金8年以内(据置期間3年以内)
設備資金15年以内(据置期間3年以内)
貸付金利 基準利率(上限3.5%)(注)
[拡充]運転資金は、次の条件に該当すれば基準利率を引き下げ

  1. 利益率が低下している→0.2%引下げ(小規模事業者は0.4%)
  2. 認定支援機関等の経営支援を受ける→0.4%引下げ
  3. 上記1・2ともに該当する→0.6%引下げ(小規模事業者は0.8%)
担保等 担保の有無、種類などは相談のうえ決定
取扱窓口 日本政策金融公庫各支店

(注)基準利率は、平成27年3月11日現在:中小企業1.40%(5年以内)、国民生活事業は1.30%~2.70%

事業承継・合併などを進める企業への支援[創設]

●事業承継・集約・活性化支援資金
地域には、雇用効果がある、生活に必須である、高い技術があるなど地域経済に貢献している事業が多くあります。ところが、後継者の不在によって、その存続が難しくなっている例も少なくありません。
このような地域経済に貢献している事業の存続のために、その事業を承継(事業譲渡・株式譲渡・合併等)する企業に対して、資金を低利融資する制度が創設されました。
なお、「地域経済に貢献している事業」とは、次のような事業をいいます。

  1. 一定の雇用効果(新たな雇用や雇用の維持)が認められるなど、地域経済の産業活力維持に役立つ事業
  2. 地域住民の生活に密着した生活関連サービスの提供事業であるなど、地域社会にとって不可欠な事業
  3. 先進性、新規性、または技術力の高い事業であり、今後の発展が見込まれる有望な事業
■事業承継・集約・活性化支援資金の概要
対象
  1. 地域経済の産業活動維持・発展に貢献する事業や企業を承継する事業者
  2. 「中小企業経営承継円滑化法」の認定を受けた中小企業の代表
  3. 後継者不在のため、事業継続が困難な企業を承継する企業 等
貸付制度 (中小企業事業)7億2,000万円
(国民生活事業)7,200万円(うち運転資金4,800万円)
貸付期間 運転資金7年以内(据置期間2年以内)
設備資金20年以内(据置期間3年以内)
貸付金利 基準利率(上限3.5%)
担保等 担保の有無、種類などは相談のうえ決定
取扱窓口 日本政策金融公庫各支店

経営改善計画を策定し再建に取り組む企業への支援[創設]

●企業再建資金
企業再建に取り組む中小企業に対して、日本政策金融公庫が低利で融資する制度です。
次のような中小企業が対象になります。

  1. 認定支援機関による「経営改善計画策定支援事業」を利用して経営改善に取り組んでいる企業
  2. 経営改善計画について関係金融機関との間で合意形成があり、認定支援機関による経営改善計画の事後フォローを受けている企業
  3. 地域において不可欠である、一定の雇用効果がある、高い技術力がある等の事業で、早急に企業再建が必要な企業

 

■企業再建資金の概要
対象資金 長期運転資金、設備資金
貸付限度 (中小企業事業)7億2,000万円/(国民生活事業)7,200万円
貸付期間 運転資金15年以内(据置期間3年)設備資金20年以内(据置期間3年)
貸付金利 基準利率(上限3.5%)
担保等 担保の有無、種類などは相談のうえ決定
取扱窓口 日本政策金融公庫各支店

●経営改善計画策定支援事業とは
借入金の返済負担等、財務上の問題を抱え、金融支援が必要な中小企業に対し、税理士等による「認定支援機関」が中小企業の依頼を受けて経営改善計画などの策定支援を行うことにより、その経営改善を促進するものです。
◎「経営改善計画策定支援事業」の利用申請期限は、平成27年3月31までとされていましたが、依然、厳しい経営状況にあり、計画策定が必要な事業者が引き続き存在していることから、申請期限が撤廃されました。

複数の借入金を一本化したい企業への支援

●信用保証協会の借換保証
現在、複数の借入れがあって、毎月の返済負担が大きい場合に、「借換保証」によって、複数の借入金を1本にまとめて長期返済にすることで、毎月の返済負担を軽減することができます。また、借り換えの際に、新たな資金を上乗せして融資を受けることも可能です。
※その他「セーフティネット保証」等もあります。

■借換保証の概要
保証限度額 一般保証:2億8,000万円(うち無担保保証8,000万円)
経営安定関連保証:2億8,000万円(うち無担保保証8,000万円)
取扱窓口 日本政策金融公庫各支店

 

最新の中小企業向け補助金等の支援策

-平成26年度補正予算・27年度予算による緊急対策-
閣議決定された政府の「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」では、中小企業の成長力を引き出す支援策などが実施されます。
※本欄は、平成27年2月に成立した平成26年度補正予算及び平成27年度予算による支援策の一部を紹介。

ものづくり・商業・サービス革新補助金(H26年度補正1,020億円)

中小企業や小規模事業者が、新商品・試作品、新サービスの開発や業務プロセスの改善、新たな販売方法の導入などの事業革新に取り組むための費用が補助されます。

ものづくり・商業・サービス革新補助金
1. 新しいサービス(注1)、
新製品・試作品の開発(注2)
費用の2/3を補助(上限1,000万円)※設備投資をせずにサービス開発をする場合は上限700万円
2. 複数者が共同で取り組む設備投資等 費用の2/3を補助(上限5,000万円 [500万円/社])
(注1)「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出等
例:クリーニング店における顧客カルテの電子化や型崩れを起さない新たな洗浄方法など
(注2)「中小ものづくり高度化法」に基づく技術を活用した画期的な試作品の開発や生産プロセスの革新
例:多言語対応の産業用インクジェットプリンターの開発など
[問い合わせ先]中小企業技術・経営革新課 TEL03-3501-1816

[大学・公的研究機関等との連携支援(H27年度139億円)]
上記補助金の他、企業が大学・公的研究機関等と連携して、ものづくり技術を活用した研究開発や革新的なサービス開発の費用を補助する「革新的ものづくり産業創出連携促進事業(費用の2/3を補助・上限4,500万円)」「商業・サービス競争力強化連携支援事業(費用の2/3を補助・上限3,000万円)」もあります。

ふるさと名物応援事業(H26年度補正40億円・H27年度16億円)

地域資源を活用した「ふるさと名物」の開発や販路開拓などの取り組みが支援されます。過去の事例として、高知県馬路村(名産のゆずを使ったぽん酢、ドリンク等の加工品で年商30億円)や今治市(今治タオルを有名デザイナーと組んで産地ブランド化)などがあります。

ふるさと応援事業
1. 異分野の事業者と共同で行う商品・サービスの開発など 費用の2/3を補助(上限1,000万円)
2. 地域資源活用や農商工連携により行う商品・サービスの開発など 費用の2/3を補助(上限500万円)
3. 小売事業者等が製造事業者と連携して「ふるさと名物」などの販路開拓 費用の2/3を補助(上限1,000万円)
4. 複数の中小企業・小規模事業者が「ふるさと名物」などを地域ブランド化 費用の2/3を補助(上限2,000万円)
5. 地域資源を海外展開するため、国内外の専門家等を活用して行う、ものづくり、食、観光等の地域資源の発掘や海外向けの開発など 取り組みを支援
[問い合わせ先]中小企業庁創業・新事業推進課 TEL 03-3501-1767

小規模事業者の持続化支援(H26年度補正252億円)

商圏が限定されている小規模事業者が行う販路開拓等への取り組みに対して補助金や販売支援などがあります。

小規模事業者の持続化支援
持続化補助金 小規模事業者と商工会・商工会議所とが一体となった販路開拓への取り組み費用(チラシ作成費用や商談会参加のための運賃など)の2/3を補助(上限50万円)。
※①複数の事業者が共同で行う取り組みや②雇用対策・買い物弱者対策への取り組みを行う事業者に対しては、補助上限がアップします(上限①500万円・②100万円)
販路拡大支援 既存の商圏を超えた広域に販路を拡大しようとする小規模事業者を対象に、物産展や商談会の開催、国内外のアンテナショップやインターネットによる販売支援など
[問い合わせ先]中小企業庁小規模企業振興課 TEL 03-3501-2036

海外への販路開拓をトータルに支援

単なる海外販路の拡大だけでなく、ブランドの確立や開発された商品の性能、品質、デザイン等の特徴が、海外市場において信頼・評価を得ることで、同種・類似商品よりも優位性を確保し、より高価格での取引、長期にわたる安定した取引の開拓を支援します。
例:宮城県石巻市の水産加工業社が連携し、統一ブランド「日高見の国」を創設。牡蠣、ホタテ、ホヤ等の水産物を原料に海外バイヤーのニーズを踏まえた新製品を開発し、香港、台湾、東南アジアに輸出。

海外への販路開拓をトータルに支援
中小企業・小規模事業者
海外展開戦略支援事業
本格的な海外展開に向けた戦略策定や販路開拓につなげるため、事業化の可能性調査の支援に加え、HPの外国語化、物流体制の構築等をパッケージ化して支援
⇒費用の2/3を補助(上限160万円)
JAPANブランド
育成支援事業
自らの強みを分析し、明確なブランドコンセプト等と海外展開の基本戦略を固めるため、専門家の招へい、市場調査などの取り組みを支援
⇒一定額を補助(上限200万円)
具体的なブランド確立や海外販路開拓を図るため、新商品開発、海外展示会出展などを行うプロジェクトを最大で3年間の支援
⇒費用の2/3を補助(上限2,000万円)
海外現地のニーズ等に詳しい外部人材の活用による、日本の生活文化の特色を活かした魅力ある商材の海外需要獲得に向けた市場調査、商材改良、PR・流通まで一貫したプロデュース活動を支援
⇒一定額を補助
[問い合わせ先]中小企業庁創業・新事業促進課 TEL 03-3501-1767
  • 補助金によっては、審査によって採択されない場合や、募集期間が決まっている場合があります(募集期限を第1期4月初旬、第2期6月上旬としている支援策もあります)。
  • 本欄の詳細やその他の支援策については、中小企業庁等のホームページを参照してください。

・ミラサポ 未来の企業★応援サイト(https://www.mirasapo.jp)

中小企業庁:「平成27年度予算関連事業/平成26年度補正予算関連事業」

在庫管理はきちんとできていますか?

会社は、販売や製造のために、商品、製品、仕掛品などを在庫(たな卸資産)として保有しています。過剰在庫や欠品は、業績にも影響するため、在庫管理は経営上とても重要です。

会社の業績悪化や資金繰りが厳しくなる要因には、売上減少の他、在庫の増減が挙げられます。

過剰在庫(仕入れ過ぎ)や滞留在庫(売れ残り)などは、資金繰りに影響しますし、欠品などは売上の機会損失になります。また破損や汚れのある商品は値引販売や廃棄処分の対象となり、紛失・盗難なども、資産を減少させることになります。そのため、経営上、在庫管理はとても大切なのです。
在庫管理というと、難しく捉えられがちですが、まずは、倉庫内をきれいに清掃・整理・整頓し、日常の商品の入出庫管理をきちんと行います。その上で、定期的に実地たな卸を行うことで、過剰在庫、滞留在庫等を早期に発見することができ、迅速な経営判断が行いやすくなります。

下記のチェックリストで自社の在庫管理の状況についてチェックしてみましょう。

チェックリスト
チェックリスト

平成28年1月開始の「社会保障と税の共通番号制度」とは?

平成25年5月公布の「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づく、「社会保障と税の共通番号制度」が、平成28年1月からスタートします。これは、国民一人ひとりに固有の番号を割り当て、行政手続きなどに利用する制度で、行政運営の効率化による国民の負担軽減・利便性の向上などを目的としています。

Q1 社会保障と税の共通番号制度とは何ですか。

A1 社会保障と税の共通番号制度(以下「番号制度」)では、すべての国民が、自分だけを特定する「個人番号(マイナンバー)」を持つ制度です(法人は固有の「法人番号」)。そして、社会保障分野(年金、医療、介護保険、福祉、労働保険等)と税の分野(国税・地方税)において、給付申請や申告などの行政手続に際して、個人番号を利用することになります。

Q2 番号制度は、何のために導入されるのですか。

A2 番号制度の導入によって、国の行政機関や地方自治体がそれぞれ保有する「同一人物の個人情報」について、それらが同じ人の情報であることを、迅速かつ正確に確認できるようになるため、図表1のようなメリットが期待できます。

図表1 番号制度のメリット
図表1 番号制度のメリット

Q3 個人番号(マイナンバー)や法人番号は、いつ頃、わかるのですか。

A3 平成27年10月以降に、市区町村から、すべての住民(住民登録されている者)に対して、12桁の個人番号、住所、氏名、性別、生年月日等が記載された紙の「通知カード」が郵送されます。法人等には、国税庁から、13桁の「法人番号」が通知されます。
なお、平成28年1月以降、市区町村は、個人番号等の情報の入ったICチップ搭載の顔写真付きカード(個人番号カード)を住民の申請により公布することになっています。

Q4 個人番号は、いつから、どのようなときに利用するのですか。

A4 平成28年1月から、国の行政機関や地方公共団体などにおいて、まずは社会保険、税、災害対策の3分野に関する行政事務に利用します。
そのため、年金、雇用保険、健康保険等の各種手続や児童手当等の給付申請に際して個人番号を記載(提示)するほか、税務関係書類(申請書、届出書、法定調書等)に個人番号を記載することになります。

Q5 民間企業では、個人番号を利用することはないのですか。

A5 民間企業でも関係があります。法人や個人事業者は、各々の従業員や支払調書の対象となる外部者(税理士、講師等)から個人番号の提示を受けて、それを源泉徴収票や報酬等の支払調書、健康保険・厚生年金の被保険者資格取得届等に記載して、税務署や市区町村、健康保険組合、年金事務所等に提出することになります(図表2)。

図表2 企業が個人番号を利用する例
図表2 企業が個人番号を利用する例

Q6 個人情報の管理には、どのような対策がとられるのでしょうか。

A6 個人情報の保護に関して、国は様々な措置を講じる予定です。

  1.  「個人情報の分散管理」の徹底
    それぞれの行政機関が持つ個人情報は、従来どおり、それぞれの機関において保有・管理する「分散管理」の方法がとられており、特定の機関が個人情報を一元管理できないようになっています。
  2.  「成りすまし」対策(本人確認の徹底)
    行政機関等(民間企業を含む)が、個人番号の提供をうける際には、その個人番号の持ち主であることを確認するため、「個人番号カード」等の提示を求めることが義務づけられます。
  3.  通信手段等におけるセキュリティ対策
    行政機関等の間での個人情報をやりとりする際のセキュリティ対策として、通信手段の限定や通信内容の暗号化対策等が整備されます。
    また不正取得・使用に対しては、厳しい罰則規定などが整備されています。
  4.  民間企業に求められる情報管理
    業務上、個人情報を知る機会のある民間企業においては、そのセキュリティ対策が求められることになります。

今年1年の経営を振り返ってみよう

早いもので、平成26年も師走を迎えました。今年は、消費税の増税、円安による電気代や原材料価格等の上昇など、中小企業にとって、景気回復を実感しにくい年ではなかったでしょうか。そのような中で、自社のこの1年を振り返って、売上や利益を点検し、来年の目標や行動を考える参考にしましょう。

1  売上について

  • 去年の売上と比べて・・・
    (良かった  目標どおり  良くなかった)

 

  • 売上目標、経営計画の数値と比べて・・・
    (良かった  目標どおり  良くなかった)

 

 [その理由を考えてみよう]

今年1年の売上の結果は、販売数量の増減によるものなのか、販売価格の変化によるものなのか等、その理由を考えてみましょう。

売上増減の原因の例

・消費税の増税が影響した
・売れ筋商品に変化があった
・主力商品の販売が伸びた(落ち込んだ)
・価格を改定(値下げ・値上げ)した
・大口取引が増えた(減った)
・異常気象、クレーム、流行、風評など特殊な事情の影響があった     等々

2  限界利益率について

  •  昨年の限界利益率と比べて・・・
    (上がった  変わらない  下がった)
  •  経営計画の数値と比べて・・・
    (良かった  目標どおり  良くなかった)

[その理由を考えてみよう]

限界利益率の上昇は、企業努力で儲けが増えたことであり、反対に下降は、様々な要因による変動費の上昇などを意味します。
特に今年は、消費税の価格転嫁の問題や原材料価格の上昇など限界利益率の低下をもたらす諸事情がありましたが、その他の要因はなかったでしょうか。

限界利益率が下がった原因の例

・競合があり、価格を下げた
・値引販売が増えた
・消費税を転嫁できなかった
・原材料や燃料の値上がり
・コスト削減が限界にきている
・外注費が増えた
・不良品やロスが増えた      等々

3  固定費について

  •  昨年の固定費と比べて・・・
    (減少した  変わらない  増加した)
  • 経営計画の数値と比べて・・・
    (良かった  目標どおり  良くなかった)

[その理由を考えてみよう]

固定費は、人件費や地代家賃、減価償却費、支払利息、その他の経費など、売上の増減にかかわらず発生する費用です。その増加は利益を減少させる要因になります。

固定費が増加する原因の例

・不要あるいは休止している設備の維持管理に費用がかかった
・新たな設備を導入した
・人件費が増えた
・電気代等の諸経費の値上がり
・交際費・広告費・交通費が増えた          等々

4 来年の戦略と目標を立てよう

売上や利益の変化の要因分析をしっかり行うほど、来年の経営戦略や具体的な目標設定(経営計画)がより理にかなったものになります。

変動損益計算書を活用しよう

経営において、月次決算を行うことが不可欠です。月次決算の数値から業績をつかむには変動損益計算書が有効です。

毎月の業績は変動損益計算書からつかむ

所長 月次決算がきちんとできるようになりましたね。

畑楽 月次決算はできるようになったのですが、出てきた数値を見ても、何を、どう見て、どのように判断すればいいのかがよくわからないのです。

所長 月次決算で業績をつかむには、変動損益計算書を活用するとわかりやすいですよ。

畑楽 変動損益計算書とは、どのようなものですか。詳しく教えてください。

損益計算書と変動損益計算書の違い

通常、損益計算書は、まず売上から売上原価を引いて売上総利益を算出し、さらに販管費などの経費を引いて、経常利益を算出します(図表2・①)。

これに対して、変動損益計算書では、原価や経費などすべての費用を、材料費のように売上の増減に伴って増減する変動費と、人件費、家賃のように売上の増減に関係なく発生する固定費に分けます(図表1)。

図表1変動費と固定費
変動費 売上の増減に伴って増減する費用
(例)材料費、商品仕入高、外注費、工場消耗品費など
固定費 売上の増減に関係なく発生する費用
(例)従業員給与、時代家賃、支払利息、減価償却費など

そして、売上高から変動費を引いて限界利益を算出し、さらに固定費を引いて経常利益を算出します(図表2・②)。

また、売上高に占める限界利益の割合を限界利益率(限界利益÷売上高)といいます。

変動損益計算書は業績判断に役立つ

畑楽 業績を判断するのに変動損益計算書が良いのはどうしてですが。

所長 変動損益計算書は、売上の増減に比例して限界利益が増減するため、損益計算書よりも業績を判断しやすいのです。

例えば、売上が20%増えれば、比例して限界利益も20%増加するため、「売上の増減によって限界利益がどれだけ増減するのか」をすぐにつかむことができます。ところが、通常の損益計算書では、売上原価に固定費が含まれるため、売上総利益が売上に比例しないのです。

畑楽 売上の変化に伴う利益の変化がすぐにつかめると助かります。

所長 また売上高をさらに「単価×数量」の式に分解すれば、「いくら売らなければならないのか(金額ベース)や「いくつ売らなければならないのか(数量ベース)といった検討もできるようになります。

1人探用するには、どれだけ売ればいいのか

畑楽 変動損益計算書を、どのように活用すればいいのですか。

所長 そば屋さんを例にしてわかりやすく説明しましょう(資料)。

ある、そば屋さんが忙しくなってきたため、アルバイトを月10万円で1人雇うかどうか検討しています。

この場合、1杯500円のそばを、あと何杯売れば、アルバイトの給料分の利益を稼ぐことができると思いますか。

畑楽 え~と、10万円÷1杯500円として、200杯ですか……。

所長 正解は500杯です。これは、l0万円を1杯当たりの限界利益200円(売上@ 500円-変動費@300円)で、割って求めることができます。

畑楽 なるほど……。これから変動損益計算書を注意して見るようにします。

損益計算書と変動損益計算書の違い
図表2損益計算書と変動損益計算書の違い

小規模企業共済制度

小規模企業共済制度は、小規模企業の役員が退職したり、個人事業をやめたりした場合などに備えてその生活資金等をあらかじめ積み立てておく、経営者等のための退職金積立制度です。

小規模企業共済制度の特色:掛金は全額所得控除できる

(1)加入対象は一定の従業員数以下の個人事業主及びその共同経営者、会社等の役員

加入できるのは、常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業〈宿泊業、娯楽業を除く〉は5人以下)の個人事業主やその経営に携わる共同経営者、会社等の役員です。

(2)掛金全額を所得控除できる

掛金月額は1,000円から70,000円までの範囲で500円刻みで自由に選べます。この掛金は税法上、掛金全額を契約者個人の所得から控除でき節税できます。

・一括して受け取られる共済金は退職所得扱い

・10年または15年で受け取られる分割共済金は公的年金などと同様の雑所得扱い

・掛金月額は一定の手続で増額・減額が可能

設例

課税所得800万円で掛金月額70,000円の場合、281,200円の節税となります(図表1)。

図表1 小規模企業共済制度加入による節税額の例
所得金額と掛金月額 加入前の税金 加入後の税金 加入による節税額
課税所得400万円の人が掛金3万円で加入 785,300円 675,800円 109,500円
課税所得800万円の人が掛金7万円で加入 2,034,200円 1,753,000円 281,200円
課税所得1千万円の人が掛金7万円で加入 2,806,000円 2,439,000 367,000円

「小規模企業共済制度」パンフ(中小機構)より

※税額は、平成 26年6月1日現在の税率に基づき、所得税は復興特別所得税を含めて計算しています。住民税均等割は5,000円(復興増税含む)としています。上記はあくまでも一例です。

(3)掛金は前納でき割引がある

掛金は前納できます。そして前納月数が12か月以内であれば、掛金全額を前納した年分の所得控除額とすることができます。

また掛金を前納した場合には割引があり、前納掛金に対して一定割合の前納減額金を受け取ることができます。

例えば今年の 12月に小規模企業共済に加入し、同時に来年11月までの12か月分の掛金を前納することは可能で、その掛金全額を今年分の所得から控除できます。さらに前納減額金も受け取れます。

(4)その他

共済金の受取は、「一括受取」・「分割受取」及び「一括受取と分割受取の併用」(分割受取を利用の場合一定の要件あり)が可能です。

また、加入者には低利の貸付制度(担保、保証人不要)があります。